ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)と呼ばれる次世代の放射線治療があり、そのホウ素化合物の薬剤(BPA)に液体のりの成分であるポリビニルアルコール(PVA)を混ぜると効果を向上させるそうです。
東京工業大の研究チームが、ボロノフェニルアラニン(BPA)にポリビニルアルコール(PVA)を結合させたPVA-BPAを作成し、マウスを使った実験をおこなったところ、大腸に発生していたがんがほぼ消失したとのこと。
よもや液体のりにそんな使い方があったとは……
液体のりの主成分でもあるPVAは生体への適合性の高さゆえに、さまざまな医薬品に添加物として利用されているとのことで、ぼくたちが思うほど突飛な発想ではないのかな?
はるか昔幼きころ、液体のりを使って工作を楽しんでいたころを思い出します。
液体のりは壊れた工作品の治療に役立つだけではなく、放射線治療にも役立つというトピックでした。
ちなみに2019年5月31日、「液体のり」が医療・医学の分野で重要な役割を果たすと報道されておりました。
その際に文具メーカー・ヤマトは以下のコメントを発表しています。
2019.05.31 トピックス
~一部報道について~
昨日から一部報道機関において話題となっている弊社液体のり『アラビックヤマト』におきまして、東京大学を中心とした研究チームは通常の販売経路において液体のり『アラビックヤマト』を購入、研究素材として使用され、画期的な研究結果を出されました。液体のりの使用目的と異なる使用方法ではありますが、最先端医療技術に関与して、病気に苦しんでおられる方を含め社会貢献の一助となれる事は社員一同大変喜ばしい限りであります。
1975年発売以来、代わることなく愛され続けている『アラビックヤマト』を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ヤマト株式会社
引用元:~一部報道について~|NEWS|ヤマト株式会社
実際の研究にヤマトの液体のりが使用されていたそうです。
本記事、のりの画像は アラビックヤマト スタンダード/スタンダード大|ヤマト株式会社より使用しております。
参考サイト
「液体のり」放射線治療でも期待の星 がん細胞ほぼ消失|朝日新聞デジタル
Poly(vinyl alcohol) boosting therapeutic potential of p-boronophenylalanine in neutron capture therapy by modulating metabolism|Science Advances
「スライムの化学」を利用した第5のがん治療法―液体のりの主成分でホウ素中性子捕捉療法の効果を劇的に向上―|国立研究開発法人日本医療研究開発機構